「SOR注文」って知っていますか?
もしあなたがSBI証券などで株の取引をしているなら、取引ツールなどで目にしたことはあるかもしれませんね。
実はこのSOR注文というのは、普通の取引よりもおトクに株が取引できる(可能性がある)ありがたいしくみなのです!
しかも最近では、SOR注文のおかげで手数料が無料!なサービスも登場しています。
今回はそんなSOR注文について、メリットやデメリットも交えて解説していきます!
この記事の内容
そもそもSOR注文って何のこと?
SORはスマートな注文!
SOR注文というのは株を取引する際の注文のしくみのひとつです。
名前のSORというのは”Smart Order Routing(スマートオーダールーティング)”の頭文字から来ています。
直訳すれば「スマートな注文経路」的な意味合いになります。
この名前は結構的を得ていて、たしかにSORをひとことで表せと言われたら「スマートな注文」というのがしっくりきます。
そしてSOR注文がスマートである理由は、「複数の取引市場の中から、最適な市場を選んで取引を行う」ことができる点にあります!
株を買える市場は一カ所ではない!
取引、つまり株式の売買はおもに、その株式の銘柄が上場している「取引所」を通して行われます。
有名な東京証券取引所(東証)はその一つで、そのほかにも名証、札証、福証などがあります。
しかし株を売買できるのは取引所だけではありません。
「PTS(私設取引システム)」と呼ばれる、取引所の外で株を売買できるしくみがあるのです。
通常の取引所が開いていない時間帯にも取引できる、「夜間取引」ではこのPTSを利用します。
そしてもうひとつ株を売買できる場として「ダークプール」と呼ばれる立会外市場があります。
ダークプールは、東証のような取引所であることに変わりないのですが、取引所を介することなく証券会社が投資家同士を結び付けるものです。
ダークプールという名前が付けられているのは、通常の取引でみられる注文の価格や数量をみることができない特徴から来ています。
このように通常の取引所以外にも株を売買できる市場は存在します。
そして通常の取引所以外にも株を売買できる場があるということは、より条件のいい取引が、取引所ではない外部の市場で実現する可能性があることを意味します。
この点に目をつけたのがスマートな注文、SOR注文なのです!
SOR注文では取引所以外の取引にも対応できる!
以上のように株の取引は、取引所のほかにもPTSという市場で行われています。
しかし通常の取引においては、その銘柄が上場している取引所での取引を前提としています。
つまり、あなたが○○の株を購入したい!と注文を出したなら、東京証券取引所のなかで○○の株を売りたい!と注文を出している人とマッチングして取引が成立することになります。
成行注文(いま買えるなかで一番安いものを買う注文)では、その取引所で出された売り注文の中でその瞬間に一番安かったものが割り当てあられるイメージです。
これに対して、SOR注文を利用すると、取引所とPTSを含めた複数ある市場の候補から最適な市場を選択してくれます。
つまり、上の例と同じようにあなたが○○の株を購入したい!と成行注文を出したなら、対応している取引所すべての売り注文を比べて、もっとも最適である(安い)売り注文と引き合わせてくれるのです。
もちろん取引所が最適なら取引所内での売買が行われます。
これがSOR注文が「スマート」である理由です。
複数の市場を見比べたりしなくとも、勝手にその時々に応じて最適な市場を選んでくれるのです。
このことで取引所以外に出ているかもしれない、より良い条件の注文を見逃さずに済むのです。
SOR注文のメリット
SOR注文では有利な条件で取引できる可能性がある!
取引所に加えて、PTSでの取引にも対応できるSOR注文では、複数の市場の中から最適な注文と結びつけることができます。
つまり単純に取引できる市場が増えた分だけ、取引所のみでの注文よりも条件のいい取引ができる可能性が高くなるのです。
SOR注文は通常よりも手数料が安くなる!?
取引所を介さない注文は、証券会社にとっても取引所に手数料を払わなくていいというメリットがあります。
本来、そのコストはわたしたちが支払っている手数料に乗せられています。
この点を考慮し、SOR注文で取引所を介さない売買が実現した場合、手数料を割り引いてもらえる場合があります。
そのためSOR注文では、通常より安い手数料で取引ができる可能性もあるのです。
例: SBI証券の場合
約定金額 | PTS | 通常 |
---|---|---|
5万円 | 47円 | 50円 |
10万円 | 86円 | 90円 |
20万円 | 100円 | 105円 |
50万円 | 238円 | 250円 |
100万円 | 462円 | 487円 |
3000万円 | 876円 | 921円 |
(SBI証券公式サイト記載の情報より作成)
SBI証券の場合、上の表のようにPTS取引の手数料が通常よりも安く設定されています。
そしてSOR注文での約定にこのPTS手数料が適用されることがあります。(※適用には条件があり、通常の手数料となる場合もあります。)
SOR注文を利用した手数料無料の新サービス「STREAM(ストリーム)」!
以上のようなメリットがあるSOR注文ですが、その特徴を利用した画期的なサービスが登場しています。
それが手数料無料で株を売買できる「STREAM(ストリーム)」です!
(STREAM公式サイトより)
STREAMでは、東京証券取引所、および東証立会外市場に対してSOR注文を出して取引を行います。
このことで他方よりも有利な価格で取引ができた場合、その有利になった分の50%をSTREAMに支払うというしくみになっています。
つまり、通常の手数料の代わりに、SOR注文で得した分を50%支払うので、基本的な手数料は無料という新サービスです。
より詳細な内容は以下の記事で解説しています!
株式手数料が完全無料!STREAM(ストリーム)【評判・口コミ・メリット・デメリット】SOR注文のデメリット
取引できる銘柄が限られる
SOR注文は、すべての銘柄で取引できるわけではありません。
利用できる注文の種類が限られる
SOR注文では、新規の成行注文・指値注文のみ、といったように使用可能な注文の種類が限定されていることがあります。
最良の価格にならない可能性もある
SOR注文では、システム上は当然より有利な価格で約定するしくみとなっているのですが、株価は常に動いているものであるため、結果的に最良の価格にならないリスクもあります。
というのも、注文されてから約定するまでにはわずかな時間差が存在しており、その間に有利な注文が入ったとしてもその注文で約定することはできません。
楽天証券では、「SOR改善レポート」をみることで、結果的に最良の価格で取引できたのかどうかを後から確認することができます。
SOR注文はどんな状況でも完璧なものではないということですね。
SOR注文に対応している証券会社
- SBI証券
- カブドットコム証券
- 楽天証券
- STREAM
いかがでしたか?
SOR注文は、通常の注文の可能性を広げたもので、特別にリスクやコストがかかるものではありません。
利用できない銘柄や、利用できない注文方法にこだわりたい場合でなければ、むしろ使わない理由がないものといえます。
うまく活用して、取引の可能性を広げていきたいですね!
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STREAM(ストリーム)の解説記事はこちら!