日経平均株価の計算方法を知ろう。

日経平均株価。よく聞くワードですが、一体日経平均株価はどうやって計算されているのでしょうか。
日経平均株価って何?については別の記事があるのでご覧ください。

ビジネスパーソンなら知っておくべき!日経平均株価ってなんだろう。

日経平均株価は、基本的に

225銘柄の株価の合計 ÷ 225=日経平均株価

として算出されます。 非常に単純ですね。
ですがこの算出方法だけでは、株式分割などの株価に影響する行為が起こると正しい数値が出せなくなります。

実際には
225銘柄の株価の合計 ÷ 24.917 =日経平均株価
と計算されています。ちなみに株式分割とは、株をいくつかに分けることを指します。株式分割は、一株当たりの値段を下げて売買されやすくするために行います。

その株価の変動を調整して正しく株価を表すために、

  • 除数の修正
  • みなし額面による調整

によって日経平均株価をより市場の動向を反映した数値にします。

除数の修正は株式分割に対応するための計算方法!

ではこの除数の修正とは何でしょうか。ここから少し難しい話になります。まず

除数とは?
除数とは割り算のなかで割る方のこと
 

なので除数の修正とは日経平均株価の算出方法の割る方、つまり

225銘柄の株価の合計 ÷225

後ろの225を修正することを指します。

では、修正するのはなぜでしょうか。
それは、先ほど述べた株式分割に対応するためです。

例えば一株当たり株価200円の株を二つに分割すると株価は一株当たり100円に半減します。ですが実際は分割しただけなので株全体の価値が変わったわけではありません。
実際に価値が変わったわけではないので、景気を表す日経平均株価ではそこを調整する必要があるのです。

除数の修正の例

今までA社、B社、C社、D社、E社の5社すべての株価が200円だったとしましょう。
(200円(A社の株価)+200円(B社の株価)+200円(C社の株価)+200円(D社の株価)+200円(E社の株価))÷ 5 = 200円
で、これら5社の平均株価は200円となります。ですがこの中から、A社が1株を2株に分け、株式分割によって1株当たりの株価を半分にしたらどうなるでしょうか。

(100円(A社の株価)+200円(B社の株価)+200円(C社の株価)+200円(D社の株価)+200円(E社の株価))÷ 5 = 180円

よってこれら5社の平均株価は180円となります。
しかしこのA社の企業の価値は実際に下がったわけではありません

なのでこの200円-180円の20円分を正しくあらわすために、除数の修正を行う必要があるのです。

具体的には、半分に分割したA社の株の株価を2倍にすることで、

(100円(A社の株価) × 2(株式分割分)+200円(B社の株価)+200円(C社の株価)+200円(D社の株価)+200円(E社の株価))÷ 5 = 200円

となり、正しい数値がわかります。

みなし額面による調整

つづいて、みなし額面による調整についても見ていきましょう。

額面とは?
額面とは、株式を発行した時に初めて取引された株式の価格。50円、100円など、1つの単位で株価が決められていた。2001年10月の商法改正まで存在。

ですが現在市場で取引される時にも、この額面は影響を及ぼします。

株式市場にはもう存在しない額面ですが、その影響は大きく額面50円の株と額面5000円の株では、株価が大きく違ってきます。

もともと50円の株が100円になったのと、5000円の株が100円になったのでは大きく意味が違いますよね。日経平均株価で株式市場の正しい動向を把握するために、これらの額面の違いを修正する必要があります。

それがみなし額面による調整です。

みなし額面による調整では、すべての額面を50円とみなして調整します。

みなし額面の調整の例
  

額面50円のA社の株式と額面500円のB社の株式と額面20円のC社の株式があったとします。
これらはそれぞれ、現在の市場では100円ですべて取引されています。しかし元々の値段である額面が全く違うので、正しい値を知るために、額面を50円に調整します。

<A社の調整>
額面とみなし額面が同じなので、実際の市場で取引される価値も100円。

<B社の調整>
みなし額面と額面では、1/5の開きがあります。 よって100×1/5でB社の株式の実際の市場で取引される価値は20円です。

<C社の調整>
みなし額面と額面では、2.5倍の開きがあります。よって100×2.5でC社の株式の実際の市場で取引される価値は250円。

最終的に、3社の調整後の平均を出す計算式は
(100+20+250)÷3 = 123.3333333 ≒ 123  

となり、
これらみなし額面の調整後の三社の株式の実際の市場で取引される価値は123円となります。

日経平均株価の算出方法のまとめ

日経平均の算出方法の調整については、少し難しい話だったと思います。ですが、日経平均はより市場を正しく反映するために、「除数の修正」と「みなし額面の調整」という二つの方法をとっているのです。
今後日経平均株価に注目するときに、ぜひお役立てください。

この記事の要点(おさらい)

  • 日経平均株価の計算方法は「225銘柄の株価の合計 ÷ 225」が原則!
  • 数値として使えるようにするために「除数の修正」と「みなし額面による調整」という調整方法がある!
  • 実際は除数の修正によって「225銘柄の株価の合計 ÷ 24.917」となっている!

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