「株価下落」という言葉。株をやってない人でも耳にすることがあると思いますが、実際どういう状態のことを指すのでしょう?
保有している株の価格が下がると損害を負ってしまいまが、どうすれば下落を見抜けるのでしょうか?
そんな疑問をお持ちの方に株価変動の仕組みから株価が下落するサイン、保有する株が下落してしまったときの対応方法までお教えします!
この記事の内容
1.株価は人気に左右される!
そもそもなぜ株価は変動するのでしょうか。
その答えは「株価はその株の人気に左右されるから」です。
株の人気があがると株価も上がり、人気がなくなると株価も下がります。
株式は企業が発行するものなので、発行される株式の数には限りがあります。
数が限られているということは、
買いたい人が多い ⇒ 株の価値(=株価)は上がる
売りたい人が多い ⇒ 株の価値は下がる
つまり、株価は売り手の数と買い手のバランスによって決まるのです。
売り手が少なく、買い手が多い
まず、買いたい人が多いのに、その株を所持している人(売り手)がなかなか手放してくれない場合。
売りに出ている少ない株を多くの人で奪い合うかたちとなるので、その株の価値上がるでしょう。
売り手が多く、買い手が少ない
一方で、売りたい人が多いのに、その株を欲しがる人(買い手)があまりいないとき。
イメージとしては株が市場に余っている状態です。そのような株の価値は高いとは言えず、株価は下がってしまいます。
2.株価が下落するのはどんなとき?
株価が下がるときは株の人気が下がるとき。
では、どのような企業の株は人気が下がってしまうのでしょうか。
ここでは株価下落が予想される例を3つあげます。
(1)業績が不調であるとき
(2)企業で問題が起きたとき
(3)配当金の減額・廃止が表明されたとき
※配当…企業が利益の一部を株主へ配ること
(1)業績が不調であるとき
業績の良し悪しは株価の変動を左右するもっとも大きな要因です。
業績が不調な企業は、今後利益が上がる期待が持たれず、投資家からの人気は下がってしまいます。
(2)企業で問題が起きたとき
企業の不祥事が明るみにでると、当然企業の好感度が下がります。
すると、消費者がその企業の商品の購入を避けるかもしれません。
このように企業利益の減少が予想されると、株の人気も下がります。
(3)配当金の減額・廃止が表明されたと
企業は利益の一部を株主へ還元することがあり、このお金を配当金と言います。
配当金を出すか出さないかは企業によって異なりますが、配当金の減額(減配)や廃止(無配)が表明されれば、その企業の株の人気は下がってしまうでしょう。
この他にも株価が下がる要因はいくつもありますが、いずれも根本にあるのは「人気が落ちること」です。
常に企業の動きを確認して人気の上がり下がりを予想し、次の動きを考えることが重要となります。
3.株価下落を見抜くための注目ポイント!
「下落する前に教えてほしい!」そう思いませんか?
実は株価下落のヒントは様々なところに現れます。
(1)PER、PBRが上昇したとき
(2)企業が下方修正を行ったとき
(3)配当金が下がるとき
(4)金利が上昇したとき
これらの情報に気を付けるだけでも下落のサインはつかめます!
(1)PER、PBRが上昇したとき
下落のリスクが高い「割高株」には気をつける必要があります。
割高株とは、企業の業績が低い割に株価が高い株のことを指します。
つまりその企業は投資家の期待に応えるほど利益を伸ばせていない状態にあることを指しています。
この状態が長く続けば業績の回復が見込めないと判断され、株式を売りに出す人も多くなりますよね。すると、株価は下がってしまいます。
ではどうしたら割高株を避けられるのでしょうか?
そこで、割高株か割安株かを判断するときに用いられる指標が
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
この2つです。
PERとは企業の利益と株価の関係をあらわす指標です。PERは平均が15と言われており、15より小さければ割安株15より大きければ割高株といえます。
PBRとは企業の資産と株価の関係をあらわす指標です。PBRは1から離れ値が大きくなるほど割高であるといわれています。
PER、PBRの詳しい計算方法は【PERとは?】【PBRとは?】に記載していますが、これらの値はYahoo!ファイナンスや会社四季報、証券会社の情報サイトからも確認できます。
PERとPBRは株式を購入する際、割安株を選ぶために参考にされることが多いですが、買った後も注意して見ておく必要がありそうですね。
(2)企業が下方修正を行ったとき
企業が定期的に業績報告することを決算といいます。
企業はあらかじめ利益をどれくらい上げられそうか、業績の予想をたてます。
決算の際にその予想より少ない金額を報告することを「下方修正」といいます。
投資家は企業の業績予想をみて売買の判断をするのに「利益がおもっていたほど上げられませんでした。」なんて言われたらたまったもんじゃありません。
「企業が問題を起こしたから株価は下がりそう。」
「不景気だから下がりそう。」
というのはあくまで予想にすぎません。
しかし、下方修正を行うということは利益が予想に届かなかったという事実なのです。
市場は当然パニックになり、株価も大きく変動します。
このような理由で、企業が下方修正をおこなうことも株価下落の要因となります。
”下方修正を行った”という報告はニュースで取り上げられることも多いのでチェックしておきましょう。
ちなみに、予想より利益が大きかった時は「上方修正」を行います。
上方修正は業績好調の証ですので、このときは株価上昇が予想されます。
(3)配当金が下がるとき
銀行の金利も要チェックです。
なんでかっていうと、銀行預金も広い意味では投資になるからです。
預金って銀行にお金を投資して金利って形でお返しが来てるんです。
つまり銀行預金と株式投資ってライバルなんですよ。
預けてるだけでお金がどんどん増えればみんな銀行にお金を預けますよね。
株なんて買わなくなっちゃいますね。
だから金利が上がると 株をやらなくなる→株価が下がる。
(4)金利が上昇したとき
銀行の金利も要チェックです。
皆さんは銀行にお金を預けたことってありますか?
実はあれも投資の一種なんです。
銀行にお金を預ける(投資する)と、そのお返しで金利がもらえるって投資方法なんです。
つまり銀行と株は投資方法のライバル同士。
ライバルのほうが条件が良かったら(金利が上がる)、みんな株から離れちゃいますよね。
人気のない株ってたしか株価が下がりますよね。
だから 金利が上がる→株価が下がる なんです。
4.株価が下がったら早めの「損切り」を!
誰もが「株価が下がる前に売りに出したい」と思いますよね。
しかし下落のサインに注意していても、100%見抜ける人なんていません。
では自分の持っている銘柄の株価が下がってしまった場合、どう対応したら良いのでしょう?
◎下落したときの対応法
手持ちの株が下落した時は、早めに「損切り」をしましょう!
損切りとは、損失を抱えている状態で株式を売却し、損失を確定することです。
つまり購入時より安値で売りに出し、負けを認めるということですね。
購入した時の値段より株価が下がれば、株主は損をしている状態になります。
その差額が大きいほど、株価が下がれば下がるほど、損失額は大きくなってしまいます。
ですから、自分の持っている株式の価格が下がり始め、回復が見込めないと判断したら、早めに「損切り」を考えるべきです。
株価が下落傾向にあっても早めに損切りを行えば損失額は少なく抑えられます!
「これから回復するかも」といった希望を持ち続けたい気持ちもわかりますが、早めに手を打ち、また別の株にチャレンジして、損失した分利益を取り戻そうと考えるのも賢い手段なのではないでしょうか。
◎損切りをしないほうがいい状況
しかし、下落しても損切りはしないほうがいい場合もあります。
それは市場全体の株価が下落した時です。
企業自体が頑張って業績を伸ばし続けていても、世界経済や災害など外からの影響が原因で株式市場全体の全体相場が下落してしまうことがあります。
この場合は一旦株価が下がり不安に感じるかもしれません。しかし企業が利益を出せなくなったわけではないので、景気が良くなってくると株価も回復する可能性が高いです。
このように、ただ「株価下落」という情報のみで”売り”を判断するのではなく、
なぜ、何が原因で下落しているのかを知ったうえで判断しましょう。
売りに出した直後に回復して、むしろ上昇傾向に、なんてなったらもったいないです!
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