TOB(株式公開買い付け)とは?今話題のTOBについて初心者にもわかりやすく解説!

この記事では、TOB(株式公開買い付け)について解説しています。

TOBは株を一気に買うこと!

TOB(株式公開買い付け)は、会社が事前に「期間・株数・価格」を事前に提示株式を取引所を通さずに買うことを言います。TOBはTake Over Bid(直訳すると入札引継ぎ)の略です。

TOB先の違い
  • TOBで買う会社の株が自分の会社の株の場合→自社株買いで株主への利益の還元
  • TOBで買う会社の株がほかの会社の株の場合→経営権を握る

自社株買いの場合株主に還元される!

TOBを自分の会社の株にする場合、自社株買いとなります。

自社株買いを行うと、より高い価格で売ったほうが得なので株価を上がります。そのため株主の資産も増えるのです。

自社株買いとは?
自分の会社の株を買うこと。会社が配当、優待以外で直接株主に利益をもたらすことのできる方法の一つでもある。 

ほかの会社の株を買う場合経営の決定権を握れる!

ほかの会社の株をTOBする場合、その会社は株を買った先の会社の経営に口を出すことができます。

法律の関係で微妙に意味は異なりますが、実質的にはすべて経営の決定権を握ります。

  • 株を100パーセント買うと→完全子会社化、経営の決定権を完全に握ることができる
  • 株を50パーセント以上、100パーセント未満で買うと→子会社化、経営の決定権の実質的に握ることができる
  • 株を20パーセント以上、50パーセント未満で買うと→関連会社化、経営の決定権について大きな影響力を持つことができる
TOB先の会社が許可しているかどうかで名前が異なる!
TOB先の会社の経営陣が賛成しているかどうかによって、名前が異なる。

  • 賛成している場合
    →友好的TOB
  • 賛成していない場合
    →敵対的TOB

と呼ぶ。

友好的TOBの場合は当然そのままTOBが行われる。

しかし敵対的TOBの場合対抗策をとられることがある。

敵対的TOBの対抗策としては

  • 上場廃止の基準となる90パーセント以上の自社株買いを行うことで強制的に上場廃止にするMBO(マネジメント・バイアウト)
  • 資産価値の高い関連会社を売却するなどで株価を暴落させ、TOBするメリットをなくす焦土作戦(クラウン・ジュエル)
  • 別の友好的な企業に買収してもらう白馬の騎士(ホワイト・ナイト)
  • TOB先の企業を反対に買収してしまうパックマン・ディフェンス

などが代表的。

過去にもTOBはたくさん行われている!

実はTOBは日本でもよく行われているのです。

有名なものをいくつかご紹介しましょう。

買収元 買収先 どうなったか
三菱UFJ アコム 子会社化
ニッポン放送 フジテレビ 筆頭株主へ(現在は同じグループの企業)
三井住友 プロミス 完全子会社化
パナソニック 三洋電機 完全子会社化
ユニー(現在のファミマ) サークルK 完全子会社化

TOBでは投資家はどうすればいいの?

持っている会社の株がTOBされる場合、投資家は以下の2つの手法で株を売却することができます。

TOBされた株を持っている場合
  • 指定された証券会社でTOBに参加し売却
  • TOBに参加せず市場で売却

TOBに参加する場合は指定された証券会社にその株を移管しよう!

TOBに参加する場合、以下の流れで行います。TOBされる側の会社が上場廃止となる場合株価が大きく下がることがあるため、必ずTOBに参加しましょう。

また敵対的TOBでは中止になる可能性もあるので、株価が上昇せず市場で売却しても利益が出ない可能性があります。です。そのため敵対的TOBでも参加することをオススメします。

  • STEP.1
    TOBの参加を決める
    株を持っている会社がTOBされるため、TOBに参加することにします。
  • STEP.2
    指定先の証券会社で口座開設
    TOBに参加する場合、指定された証券会社で証券口座を持っている必要があります。指定された証券会社に口座を持っていない場合は必ず開設しましょう。
  • STEP.3
    移管手続き
    指定された証券会社の口座にその株を振り返る移管手続きを行います。
  • STEP.4
    TOB申し込み手続き
    TOBの参加を証券口座上で申し込みます。

TOBに参加しないで市場で売却

TOBに参加しない場合は普通に市場で売却します。

特に上場廃止とならずTOBに上限がない場合は、市場で売却することも視野に入れましょう。株価がいくらになっても利益が出る可能性が非常に高いからです。

TOBになるとどうなるの?今話題のデサントで確認!

TOBになると、株価が一気に上昇します。

今話題のデサントでは、1月の後半から2月にかけてで一気に株価が上昇しています。

これは伊藤忠商事から株式の10パーセントをTOBされることが1月30日に発表されためです。

ヤフーファイナンスより

しかしデサントが反対意見を表明し、敵対的TOBであるとわかった途端株価を100円ほど下げています。

ヤフーファイナンスより

このように友好的TOBであるか敵対的TOBであるかで株価は大きく変わります。そのため株を持っている会社がTOBされる場合、賛成か反対かのニュースを注目しましょう。