みなさんこんにちは。OKOMEです。この記事では2019年1月30日にストップ安になった
サンバイオと大日本住友製薬について、以下の3つをわかりやすく解説しています。
- どんな会社か
- なぜ株価が下がったのか
- 今後は何に注目すればよいのか
一緒に見ていきましょう。
この記事の内容
サンバイオと大日本住友製薬は神経の治療薬を作るために提携していた!
大日本住友製薬とサンバイオは製薬会社どちらも製薬会社です。サンバイオが研究、開発している「SB623」という薬を、大日本住友製薬が提携という形で共同で開発、研究していました。
SB623は中枢神経(脳と脊髄の神経)を再生させ、脳梗塞からアルツハイマー、体が動かなくなってしまうパーキンソン病など、神経に関する様々な病気を治すための治療薬です。
SB623が実際に使えるようになれば、脳の神経機能を再生させる薬では世界初。非常に大きな期待が寄せられています。
また現在SB623は、実際に脳梗塞の治療のために医療現場で使用されるまで秒読みの段階。医療現場で使えるようになればたくさんの患者を救うことができるでしょう。
サンバイオはSB623の研究開発をする会社!
サンバイオはマザーズに上場している、SB623の研究開発のみをしている製薬会社です。そのため製品もSB623しかありません。
歴史は2001年と若く、創業の地もアメリカのシリコンバレー。日本法人に親会社の機能を移転するなどして今に至ります。
サンバイオはSB623をメインで作っているということで注目度が非常に高いです。
株価は2018年10月30日の時点で3360円でした。
SB623がアメリカで認証されるかもしれないというニュースが広まった結果、一か月後の11月30日には8670円になりました。たった一か月で2~3倍の伸びを記録しています。
また今年も2019年の年始と比べ最大38パーセントも上昇するという驚異的な伸びを記録していました。
大日本住友製薬は総合製薬会社!
大日本住友製薬は東証一部に上場している、様々な製品を取り扱う製薬会社です。SB623の研究開発に関して、サンバイオと提携しています。
その名の通り住友系列で、2017年度製薬会社売上ランキングでは国内で7位につけるなど、製薬会社でもトップクラスの会社です。
株価は2018年10月30日の時点で2344円でした。
SB623がアメリカで認証されるかもしれないというニュースが広まった結果、一か月後の11月30日には3700円になりました。たった一か月で約1.5倍の伸び。非常に大きいですね。
主力製品は売り上げの4割を占めるラツーダという非定型抗精神病を治療する薬です。
株価が下がった原因はSB623の認可が下りなかったこと!
サンバイオと大日本住友製薬の株価が下がった原因は、アメリカでSB623の認可が下りなかったことです。
サンバイオと大日本住友製薬の株価が10月30日からの一か月間で一気に上がったのは、日米合同のフェーズⅡの治験で十分な効果がみられたからです。
ですが今回の下落の原因は、アメリカ単独でのフェーズⅡの治験で十分な効果がみられなかったことが原因です。(サンバイオの公式文書)
動物実験などを十分に行ったうえで、本当に薬が効くのかを確かめる最終試験として行われる。 治験には段階が3つあり、フェーズⅠから始まってフェーズⅢまでをすべてクリアする必要がある。
- フェーズⅠ→薬を飲む人が健康な成人
- フェーズⅡ→薬を飲む人が症状の軽い患者
- フェースⅢ→薬を飲む人が実際の医療現場でその薬を処方されると思われる患者
製薬会社では薬の認可が下りるかどうかが売り上げに大きく関わってきます。単純に認可が下りないと薬が売れないからです。
すでに認可が下りる可能性が高いと思っていた投資家にとって、今回のSB623のフェーズⅡの治験は非常に残念なものとなりました。
その結果、2019年1月29日には1万1710円だったサンバイオの株価は、次の日には3000円下がって8710円とストップ安。
また1月29日には3765円だった大日本住友製薬の株価も、次の日には700円下がって3065円とストップ安になっています。
株価には一日につきどれくらいまで上下することができるかが決まっている。これを値幅制限という。値幅制限を超えると自動的にその日の株の取引が成立しなくなる。
値幅制限の上限まで株価が上がることをストップ高、下限まで株価が下がるとストップ安という。
値幅制限の目安は前日の終値のだいたい5分の1程度。またストップ安とストップ高が3日続くと、値幅制限が二倍に広がる。
【2月1日追記】
サンバイオは従業員が連結で32人の会社にもかかわらず、暴落前の時価総額がマザーズトップの6000億円でした。結果論にしかすぎませんが、SB623が発売され脳梗塞の治療薬の市場を独占できるとしてもあまりにも期待が大きかったといえます。
ストップ安を3日連続で記録したので、値幅制限が二倍に広がります。よって通常値幅制限が1000円のところ、週をまたいで2月4日の値幅制限は2000円になります。
また2月1日の東京証券取引所が始まってすぐの時点で、サンバイオ1000万株の売り注文が残ったままストップ安となりました。1000万株というのはマザーズ全体の取引高の8分の1程度と非常に大きな数です。サンバイオをストップ安は数日続くでしょう。
もしストップ安がこの後3日連続で続いた場合、サンバイオの株価は
- 2月4日(月)、3710円
- 2月5日(火)、2310円
- 2月6日(水)、1310円
となります。暴落する直前の時点で1万1710円となるわけですから、もしストップ安がこの後3日連続で続いた場合には10分の1程度になってしまいます。
一方で大日本住友製薬では中国でラツーダの認可が下りるなど、好材料が出てきました。そのためこれ以上ストップ安になる可能性は低いでしょう。
【2月5日追記】
サンバイオの株価が決まりました。株価は今日2月5日の前場が終わった11時30分の段階で2530円です。
1月29日の時点での株価は1万1710円でしたので、80%の下落となります。5営業日という非常に短い期間にも関わらずかなり大きな痛手です。
大日本住友製薬は2月1日の時点で値段が決まり、2月4日の始値では2569円。3765円だった株価が1週間で32%の減少で収まりました。かなり大きな損失ですが、とりあえず確定できて一安心というところではないでしょうか。
【2月8日追記】
昨日の2月7日にサンバイオがストップ高を更新しました。
5日連続でストップ安を記録後、ストップ高になるというのは極めて異例であるといえます。
今後短期的な上昇の可能性は気配を見る限りありますが、現在サンバイオの株を買うのは投資ではなく投機です。
短期的な売買を除き、買うのを控えるべきだと考えます。
理由は2つ。
- 財務指標が役に立たない
- 一つの製品に依存している
財務指標となるPERはマイナス現在42倍。今後株価が上がっていくにつれ、さらにこのマイナスのPERは膨らんでいくことでしょう。
長期投資の観点からみて、この会社に投資すべきではありません。
また現在サンバイオは売っている製品はなく、SB623の研究開発をしているのみの会社です。
まだ1つの製品しかなく、しかもその製品もまだ未承認であるというのは、まったく利益の出る体制の整っていない会社であるといえます。
これもやはり長期投資の観点からみて、投資すべき会社とは言えません。
いずれにせよ、これは過去の仮想通貨ブームのような実態とは異なった株価の上下です。
平均線を下回りすぎたために反発し、一時的に上昇するのはよくあること。しかし唯一の好条件となるフェーズ2のクリアがない限り、長期的に見て下降する可能性が高いです。
投機ではなく、投資として考えるのであればサンバイオに投資することはまったくもってオススメ出来ません。
アナリストのシグナルはただの意見にすぎず、暴落してもアナリストは損しません。結局サンバイオが暴落して損するのはあなただけですから、しっかりよく吟味したうえで株を買いましょう。
今後はどうなる!?2年は下がったままの可能性が高い…
サンバイオと大日本住友製薬の株は、当分下がったままの可能性が高いです。
というのも薬を作るのには大変な時間がかかるもの。日本製薬工業協会によれば一つの薬を作るのに9~17年かかるそうです。
SB623は臨床試験まで行っていることを考え、ある程度の研究を飛ばせるとします。
それでも治験を最初からやり直す可能性は高いため、薬の販売の認可が国から下りるのに5年程度かかるでしょう。
では実際に株価が上がるのはいつでしょうか。
前回株価が上がったのはフェーズⅡがクリアできたことが原因。
そのためやはり今回もフェーズⅡがクリアするとサンバイオと大日本住友製薬の株価が上がるでしょう。
また治験は3年ほどかかるようです。3つフェーズがあるので1つのフェーズにつき1年かかるとすると、だいたいフェーズⅡの結果が出るのは2年後となります。
今後のサンバイオと大日本住友製薬の株価が気になる方は、次に行われるSB623のフェーズⅡの治験に注目しましょう。その結果が出るのは、2年後になると予測します。