第二のアキュセラとなってしまう?製薬会社サンバイオがストップ安!

サンバイオとアキュセラ
  • サンバイオの現状
  • アキュセラの悲劇
  • 今後サンバイオ株はどうなる?

サンバイオに何があった?

驚異的な成長を見せていた製薬会社サンバイオ

サンバイオは「SB623」という脳の神経機能を再生させる薬の研究開発を行っている会社です。この薬は中枢神経を再生させ、脳梗塞からアルツハイマー、パーキンソン病など、神経に関する様々な病気の治療に効果のある世界初の薬として注目されています。

サンバイオはマザーズに上場しており、株価は2018年10月30日の時点で3360円

その後、SB623がアメリカで認証されるかもしれないというニュースが広まった結果、一か月後の11月30日には8670円になりました。たった一か月で2~3倍もの成長

さらに今年も2019年の年始と比べ最大38パーセントも上昇するという驚異的な数値を記録していました。

期待が膨らむ数字をマークしているサンバイオに突如なにが起こったのでしょう?

株価が下がった原因はSB623の認可が下りなかったこと!

サンバイオの株価が下がった原因は、アメリカでSB623の認可が下りなかったことです。

製薬会社では薬の認可が下りるかどうかが売り上げに大きく関わってきます。単純に認可が下りないと薬が売れないからです。

すでに認可が下りる可能性が高いと思っていた投資家にとって、今回のSB623の不認可という結果は非常に残念なものとなりました。

その結果、2019年1月29日に1万1710円だったサンバイオの株価は、次の日には3000円下がって8710円とストップ安

ストップ安とは?
あまりにも株価が下がりすぎて、その日1日株の取り引きができなくなる現象。

株価には一日につきどれくらいまで上下することができるかが決まっていて、これを値幅制限という。値幅制限を超えると自動的にその日の株の取引が成立しなくなる

値幅制限の上限まで株価が上がることをストップ高、下限まで株価が下がるとストップ安という。

値幅制限の目安は前日の終値のだいたい5分の1程度。またストップ安とストップ高が3日続くと、値幅制限が二倍に広がる。

過去にも似た惨劇が…製薬会社アキュセラの大暴落

ここで思い出されるのが2016年に起こったアキュセラの大暴落6日連続ストップ安をつけ株価は7700円から1190円と驚異の下落率の84.5%を記録していました。

現在は窪田製薬へと社名を変更したこの会社に何があったのでしょう?

アキュセラは5か月で株価が7倍に伸びていた

当時のアキュセラは「エミクススタト塩酸塩」という網膜のはたらきを助ける薬の研究開発を行っていました。この薬はそれまでレーザーや体内注射などの外科的処置しか治療法のなかった網膜疾患に対して経口投与で行える新しい治療薬として期待を寄せられていました。

サンバイオと同じく新たな治療薬の開発で注目を浴びていたんですね。

これまた同じくマザーズに上場していたアキュセラの株価は2016年1月にはまだ1000円程度でした。

アキュセラは新薬開発の状況を逐一報告しており、さらに日本の大手製薬会社である大塚製薬とも共同開発を進めていました。

そんな背景から期待が集まり2016年5月25日の前場では株価が最高値の7700円に。5か月で7倍以上もの伸びを記録しました

臨床試験の失敗を発表で株価暴落

それまでの順調な試験報告もあり多くの期待を寄せられていたアキュセラですが、5月26日に想定外の「臨床試験失敗」という結果を報告

その結果、市場には失望売りが殺到し連日のストップ安。結局6月2日には1100円にまで下がりました。

1000円からスタートし5か月で7倍にまで上昇した株価が6日間で1000円に逆戻り。恐ろしいですね。

しかし実際はストップ安になったのは5月25日の後場から。誰もがまだ試験の成功を信じていた結果報告の前日に突如アキュセラの株価は下落していました。

まだ試験の失敗報告がされてなかったこと、さらに前場では最高値である7700円を記録していたこともありインサイダー取引の疑惑が浮上しました。しかしアキュセラ側はインサイダー取引に関してはノーコメント。

6日間株価の下落を目の当たりにし、売りたいのに売れない投資家を苦しめる日々が続きました。。

今後サンバイオはどうなる?製薬ベンチャーには気を付けよう!

サンバイオは従業員が連結で32人の会社にもかかわらず、暴落前の時価総額がマザーズトップの6000億円でした。結果論にしかすぎませんが、SB623が発売され脳梗塞の治療薬の市場を独占できるとしてもあまりにも期待が大きかったといえます。

ストップ安を3日連続で記録したので、値幅制限が二倍に広がります。よって通常値幅制限が1000円のところ、週をまたいで2月4日の値幅制限は2000円になります。

また2月1日の東京証券取引所が始まってすぐの時点で、サンバイオ1000万株の売り注文が残ったままストップ安となりました。1000万株というのはマザーズ全体の取引高の8分の1程度になり、サンバイオのストップ安は数日続くでしょう

もしストップ安がこの後3日連続で続いた場合、サンバイオの株価は

  • 2月4日(月)、3710円
  • 2月5日(火)、2310円
  • 2月6日(水)、1310円

となります。暴落する直前の時点で1万1710円となるわけですから、もしストップ安がこの後3日連続で続いた場合には10分の1程度になってしまいます。

 

新薬の研究開発を行っている製薬ベンチャーにとってこのような開発リスクはつきものです。バイオ株は当たれば大きいですがその分リスクも大きいことをここで再確認しておきましょう!